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マグミット錠

マグミット錠は便秘のほか、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などにも用いられることのある薬です。この薬は、実は成分としては単に酸化マグネシウムです。ということで、一般的な医薬品の有効成分に多い、複雑な化学構造を持つ化合物とは異なり、中学校の理科でも習うような低分子化合物ですから、どのようにして効果を発揮するのかについても比較的簡単です。

マグミット錠の効能について

まず、便秘についてです。酸化マグネシウムを服用した場合、消化管内で炭酸イオンと反応し、炭酸マグネシウムができます。この炭酸マグネシウムは腸管から吸収されにくいのです。そうするといったいどういうことが起きるか、これはまさに中学校の理科の時間です。少し考えて見て下さい。

ちょうど、青菜に塩をふった状態を想像すればよいでしょう。青菜から水がでてきて、塩を溶かしてしまいます。これは浸透圧と呼ばれる現象で、簡単に言えば、水がしみとおるような何らかの膜を間に隔てて濃度差のある二種類の液体があるとき、二つの濃度をできるだけ同じにしようとして起きる化学反応です。青菜の細胞内にある塩分濃度と、外にふりかけられた塩とでは当然ながら外のほうが塩分濃度が高いので、細胞内から細胞外へ水分がしみ出してくるのです。ナメクジに塩をふりかけることを想像して頂いても構いません。化学的には全く同じ現象です。

腸管内でもこれと同じような現象が起こります。腸管内に炭酸マグネシウムが留まり続けることで、腸管内の濃度が腸管の外、つまり体の組織内よりも高い状態が続きます。化学的に、この濃度差を平準化しようとして、腸管の周りの組織から腸管内に水分が次々としみ出してくることになります。

これでだいたいのところは分かってきたのではないでしょうか。便秘とは、要は腸管内の水分量が減少するために起きる症状です。ですから、そこに水分を補ってやることで解消が期待できるわけです。このことから分かるとおり、酸化マグネシウムあるいは炭酸マグネシウムそのものが直接効いているわけではありません。炭酸マグネシウムにより周囲から集められた水分が効果を発揮しているということになります。

さて、これで便秘の効能については分かったとして、次は胃潰瘍や十二指腸潰瘍についてです。こちらも比較的簡単な化学反応によって説明のつくことなのですが、反応の中身は便秘の場合とは全く別物です。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍がどのようにして起こるか知っているでしょうか。これには胃酸が関係しています。胃酸というのは化学的には塩酸であり、塩化水素が水に溶けたもので、強酸です。もちろん、普段の健康な状態であれば胃や十二指腸は粘膜で防御されており、自分が出す塩酸によって自分自身が傷ついてしまうようなことが起こらないようになっています。ところがストレスなどの原因により防御機構が弱まってしまうと、胃酸はまさに自分自身を傷つけてしまうということになるのです。

そこで胃潰瘍や十二指腸潰瘍を治療する方法の一つとして、この塩酸を中和することが考えられます。マグミットはそのようにして働き、塩酸を中和します。化学的に書くと、酸化マグネシウム(MgO)+塩化水素(2HCl)→塩化マグネシウム(MgCl2)+水(H2O)、となります。このようにして胃酸を中和することで効果を発揮するわけです。

さて、ここまでマグミット錠の効能について説明してきました。全く異なる2つの作用により効果を発揮することが理解できたでしょうか。どちらも、中学の理科の範囲で理解できる内容です。

ところで、マグミット錠には副作用はあるのでしょうか。もちろんあります。副作用のない薬はありません。まずは、下痢や腹痛が挙げられます。便秘に効果があるのですから、ある意味これは当然のことと言えるかもしれません。

マグミット錠の副作用について

下痢や腹痛程度であれば問題は少ないのですが、実はマグミットには重い副作用が起きる可能性があります。それは、高マグネシウム血症と呼ばれる病気です。ヒトの体内では、マグネシウムはとても重要な働きをしています。そして、普段はその濃度はかなり厳密に、狭い範囲内に収まるように調整されています。ここに、外から大量のマグネシウムが入ってくると、調整が追いつかなくなります。その結果として、高いマグネシウム濃度にさらされることになり、様々な副作用が起きる可能性があります。最も重いものでは死亡することさえあります。マグネシウムは心臓の働きにも大きく関係しているため、高濃度のマグネシウムにさらされることで不整脈が起こるためです。

その他にも、倦怠感、吐き気や嘔吐、低血圧やめまいなどが起きることがありますから、注意することが必要です。

マグミット錠の飲み方について

ただし、これらの症状は腎臓の機能に特に問題のない人ではまず起こらないといわれています。腎臓が過剰のマグネシウムをしっかりと排泄してくれるためです。高齢者や腎臓病のある人は要注意ということになります。

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